ミクロバブルSC-CO2法によるバレンシアオレンジ果汁中のペクチンエステラーゼ(PE)の失活化を検討した.PE残存活性に及ぼすフィルターの影響を検討した結果,25MPa, 35℃の条件で30分間処理後の残存活性は,43.1%(未装着)から6.1%(孔径10μmフィルター装着)に低下した.同条件下で孔径2及び7μmのフィルターを装着した場合の残存活性は,それぞれ11.5, 8.5%であったことから,PE不活性化には孔径10μmのフィルター使用が最適であると考えられた.同フィルターを使用して以下の結果を得た.温度35, 45, 55℃の処理条件では,圧力の増加および時間の延長に伴い残存活性が低下した.特に,35℃の条件下でこの低下は著しかった.種々のSC-CO2の密度に対してPE残存活性をプロットした結果,0.79g/cm3以上で急激な活性の低下が認められた.