インゲン豆の加熱による組織の軟化および組織内デンプンの糊化に及ぼす調味料の影響について検討するために,各種濃度の調味料のモデルとなる物質(塩化ナトリウム,スクロース,エタノール,酢酸,グルタミン酸ナトリウム)を用いて,それらの水溶液中でインゲン豆の組織試料を加熱し,軟化割合および組織内デンプンの糊化割合を測定した. インゲン豆の加熱による組織の軟化は,約1.0M以上の塩化ナトリウムによって抑制され,スクロース,エタノールによってわずかに抑制された.また,塩化ナトリウム(約1.0M以下),酢酸およびグルタミン酸ナトリウムによって促進された.一方,加熱による組織内デンプンの糊化は,塩化ナトリウムおよびスクロースによって抑制され,グルタミン酸ナトリウムによってわずかに抑制された.また,エタノールおよび酢酸によってわずかに促進された.