アズキ種子の発芽過程のトコフェロール含量およびクロロホルムーメタノール(2:1)抽出物の抗酸化活性の変動を検討した.全抽出物の抗酸化活性は,吸水7日目まで多少変動したが,10日目以降には著しく減少した.また,非極性脂質(NPL)画分の抗酸化活性は高く,3日目以降は若干減少した.しかし,δ-トコフェロールは吸水1日目以降急速に減少した.また,極性脂質(PL)画分の抗酸化活性は種子にはほとんどみられなかったが,吸水10日目までのそれには20%程度の酸化抑制作用がみられた.アズキ発芽体のクロロホルムーメタノール(2:1)抽出物には,δ-トコフェロール以外にも有効な抗酸化物質(脂溶性の非極性および極性物質)が存在すると考えられる.