大麦糠から抽出したポリフェノールを主成分とする抽出物についてその抗酸化能を測定した.1) リノール酸からの過酸化物生成に対する抑制度合いをTBA法及びロダン鉄法で測定した結果,抗酸化力は測定法でその効果が異なるものの,明らかにリノール酸の酸化を抑制することがわかり,食品添加物に関する抗酸化剤としての有用性があるものと思われた.2) 大麦抽出物のスーパーオキシドに対する消去能を測定した結果,その作用はアスコルビン酸より小さいものの,BHA,BHT,dl-a-トコフェロールより大きかった.このことより大麦抽出物は十分なラジカル補足能を保持していることが判明した.