日常的に広く利用されている食用花弁の水溶性抽出液について,DPPHラジカル,ヒドロキシルラジカルおよびスーパーオキシドの消去活性について,ESR装置を用る方法で試験を行い検討した.(1) 13種の花弁抽出液のDPPHラジカル消去活性と抗酸化活性との間に高い相関性が認められた.抗酸化活性の測定は,リノール酸を基質としたエマルション系に添加し,β-カロテンの退色の防止活性を指標とする試験法で行った.(2) DPPHラジカル消去活性・ヒドロキシルラジカル消去活性・スーパーオキシド消去活性は,13種の花弁抽出液のポリフェノール含有量との間に,各々の相関性が認められ,ポリフェノール含有量の各種フリーラジカル消去活性の寄与が示唆された.ポリフェノールの定量はFolin-Denis法に従って行った.(3) 日常飲用するレベルの茶浸出液(ローズティ,煎茶)についても,DPPHラジカル消去活性の効果を認め,その中で,加熱する浸出液(試料1gに100℃の熱水50mlを加え,1分間加熱浸出した浸出液)の活性の効果が最も高かった.