食品包装容器として使用された発泡ポリスチレンをテトラクロロエタン中でクロロメチル化を行った場合,有機溶媒に不溶のクロロメチル化ポリスチレンが得られた.さらにそれを引き続いて第三級アミンでアミノ化することにより第四アンモニウム基を持つ水に不溶な樹脂を合成することができた. これらの樹脂は,界面活性剤であるSDBSおよび食用色素(食用赤色102号,食用黄色4号)を吸着することが分かった.PCS-TEAは高濃度食塩溶液中でもそれらの食用色素を吸着することが分かった.しかし,その吸着量は樹脂中のアンモニウム基のアルキル鎖の種類に大きく影響を受けることが分かった. PCS-TEAおよびPCS-DMOAは,食塩溶液中および糖溶液中からもSDBSを選択的に吸着できることが分かった. これらの結果は,これらの樹脂が塩や糖などを含む食品処理液中から食用色素や界面活性剤を選択的に除去できる可能性があることを示唆する.