水産物入り漬物市販製品3品の液汁(食塩濃度1.8~3%,pH4.6)の微生物相は,乳酸菌数108-109CFU/ml台,グラム陰性菌数103-104CFU/ml台,酵母菌数102-104CFU/ml台,カビコロニー数10-104CFU/ml台,からなっていることが明らかになった.乳酸菌相は,Lac-tobacillus属とLeuconostoc属等からなり,Lactobacil-lus属は全製品に多数存在したが,Leuconostoc属は製品により菌数が異なった.グラム陰性菌相はEnterobacteriaceae科,Alcaligenes-Agrobacterium属およびPseudomonas属等からなっていた.これらの微生物相は,多数の乳酸菌とそれよりは少数のグラム陰性菌および酵母菌からなるという点で,菊地らが明らかにした発酵が進んだ段階の「ニシン漬」や,野菜の発酵漬物,またはすし類等の微生物相と類似したものであった.