かぶらずしの微生物組成と糖,有機酸及び遊離アミノ酸組成,官能検査における好ましさ等について検討した. (1) 材料由来の乳酸菌は乳酸球菌が主であったが,乳酸菌総数は検体間の差が大きく,103~107/gであった.また発酵に伴い乳酸菌が増加し,グラム陰性菌が減少した. (2) 糖組成ではグルコースが最も多く,総糖量の58.3~88.4%であった.また市販かぶらずしではスクロースが検出されたが,自家製では発酵と共に消失した.有機酸組成では酢酸(総有機酸量の45.2~49.0%)とギ酸が多く,乳酸も発酵と共に約10倍に増加した.総アミノ酸量は231~535mg/100gであり,γ-アミノ酪酸,アラニン,グルタミン酸,ヒスチジン,ロイシン等が多かった.また発酵経過に伴い総アミノ酸量は若干増加した. (3) 官能検査においては総合評価で旨味が強くかつ甘味,酸味が強すぎないものが好まれた.