緑茶液中には分子量10万以上(A)と平均分子量1万(B)の2種に,ゲルろ過カラムクロマトグラフィーで分画される多糖類が溶存していた.これら成分の溶存量は上級緑茶に多く,下級茶には少なかった. 緑茶液中の多糖類を限外ろ過により除去すると,緑茶液の白濁生成が抑制されるところから,緑茶液の白濁形成には多糖類が関与し,緑茶液中に出来るカフェインとカテキンの化合物に多糖類が縮合して形成されるものと考えられた. 茶多糖類には経口投与による正常ラットの血糖値降下作用が認められた. 茶多糖類の血糖値調節機能が正常ラットへの経口投与試験で認められたが,多糖類は膵臓機能の改善に直接作用するのではなく,末梢解糖系に対して作用し血糖値を調節するものと考えられた.