ステビア抽出末に強い抗酸化活性を認め,その活性の最も強い画分には高濃度のカリウムの存在が認められたことから,カリウム塩を含む9種類の無機塩の抗酸化効果を調べた.その結果,K2CO3,KHCO3,Na3PO4,Na2CO3 およびKClにリノール酸に対する抗酸化効果を認めた.NaCl,CaCl2,MgCl2およびMgSO4には抗酸化効果は認められなかった. K2CO3は60ppm(カリウム濃度として)以上の濃度で抗酸化効果を示し,最も強力であった.α-Tocと併用することでその効果は向上したが,クエン酸とでは向上は認められなかった. ステビア抽出末の抗酸化作用機構について,フリーラジカル捕捉効果,スーパーオキシド捕捉効果および金属キレート作用について調べた.ステビア抽出末の抗酸化効果は主としてフリーラジカルの捕捉効果に因るもので,スーパーオキシドの消去能も補足的に関わっているものと考えられた.