大麦糠由来のプロアントシアニジン少量体(2量体及び3量体)について,幾つかの抗酸化性及び抗変異原性試験を行った.また,その作用をカテキン類と比較した. (1) プロアントシアニジン少量体のスーパーオキシド及びDPPHラジカルに対する捕捉能を測定した結果,その作用はプロデルフィニジン少量体がプロシアニジン少量体よりも大きい傾向を示した.また,その作用は(-)-EGC及び(-)-EGCGに匹敵した. (2) プロアントシアニジン少量体のMNNG及びTrp-p-1に対する抗変異原性を測定した結果,ラジカル捕捉能と同様にその作用はプロデルフィニジン少量体がプロシァニジン少量体よりも大きい傾向を示した.また,その作用は(-)-EGCG及び(-)-EGCと同等あるいは少し劣る程度であった. 以上から,プロアントシアニジンにおいても,構成単位となるカテキン骨格のB環にピロガロール型構造を持っ化合物が,カテコール型構造を持つ化合物より,比較的抗酸化性及び抗変異原性が大きいことがわかった.