商業ベースで大規模に製造している酸加水分解エキスの工程に沿って,変異原性の消長を追究した.分解直後には顕著な変異原性が存在し,MCP除去のためのアルカリ処理工程の前後でも,変異原性は幾分減少したが依然として残存した.しかしアルカリ側で濾過助剤を用いたフィルタープレス処理や,脱色目的の活性炭処理工程においてほぼ除去され,最終製品中では検出限界以下で,陰性と判定された.活性炭に吸着された変異原性化合物としては,有機溶剤に対する抽出特性から,高極性物質やハロゲン化物,多環芳香族などの存在が予測された.