異なる品種の日本産原木栽培椎茸5種および,品種不明の中国産菌床栽培椎茸1種を1994年産,1995年産,1997年産の3力年について試料を集め,形状,一般成分,食物繊維,キチン,アミノ酸,遊離アミノ酸,レンチニン酸,5'-ヌクレオチド,RNA含量を定量することにより,品種による成分差が認められるかどうか検討し,その品種の特性を明らかにすることを試みた. 品種間の形状は,年度により異なり,バラッキが非常に大きかった.しかし,成分的には品種間に有意差が認められた.中国産菌床栽培干し椎茸と日本産原木栽培干し椎茸間では,中国産菌床栽培椎茸がタンパク質,灰分,総アミノ酸,レンチニン酸,RNA等が有意に高値であり,炭水化物が有意に低値であった.一方,日本産原木栽培干し椎茸間に於いては,品種Dと品種A,B,C.E間にレンチニン酸含量,また,品種Dと品種A,E間に総アミノ酸含量に,品種Dが有意に低値であることが認められた. また,全ての品種の3年分の子実体中の窒素含量と窒素含有成分との相関関係とを求めたところ,総アミノ酸,レンチニン酸,RNA含量と窒素含量間には強い正の相関が認められたが,キチン含量とは相関は認められなかった.