でん粉11種類と化工でん粉12種類を用いて焼麩の比容積に及ぼす影響について検討し,以下の結果を得た. (1) でん粉を合わせ粉としたとき,焼麩の比容積はアミロース含量が高いほど小さかった. (2) 焼麩の比容積とでん粉の貯蔵部位(根茎でん粉か種子でん粉か),膨潤度,及びpH値との間には相関関係が認められなかった. (3) アミログラフで,粘度上昇開始温度が示されなかったでん粉を合わせ粉とした場合にはほとんど膨化しなかった.しかし,膨化しなくてもアミログラフで粘度上昇開始温度が示されたでん粉もあり,加熱過程の粘度特性と比容積との間には相関性が認められなかった. (4) 化工でん粉の影響は化工方法によって異なり,エステル化でん粉の比容積はでん粉より大きかったが,エステル化+架橋化,架橋化,エーテル化+架橋化の順で低下した. (5) 各種でん粉を使用することにより,比容積の異なる焼麩を得ることができた.焼麩の性状に適したでん粉の選択と組み合わせを工夫することによって合わせ粉として使用できることが確認された.