鶏卵由来オリゴペプチドのACE阻害活性(IC50)を測定したところ,1.22mg/mlであり,本オリゴペプチドは食品由来のペプチドとしては,ACE阻害活性は中程度であることが判明した.このオリゴペプチドを分離・精製せずに,粗製品のままSHRに長期間経口投与することにより,本オリゴペプチドの降圧効果を検討した.その結果,オリゴペプチド投与群の血圧はコントロール群に対して有意に低下した.さらに,オリゴペプチド投与群の血清ACE活性がコントロール群に対して有意に低下した.これらのことから,本オリゴペプチドを粗製品のままで長期間経口投与することにより,高血圧の発症あるいは悪化防止が可能であることが判明した.今後,本オリゴペプチドを分離・精製し,アミノ酸配列を解明すれば,本オリゴペプチドの高血圧抑制の機能性食品さらには医薬品としての利用が期待できる.