ゆで時間の経過を追って試料を作成し,ゆで過程におけるめん表面および割断面の微細構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察した.ゆで時間3分後のゆでめん表面には,デンプン粒は認められず,板状部分と網状構造が観察された.12分後のゆでめん表面では,細かい板状部分と,その間を埋めている細かい網状構造が観察された.さらに,18分後には,細い繊維状構造から成るレース状の構造がみられた.ゆでめんの割断面は,表層部では,ゆで時間3分後にはすでにデンプン粒の形状は識別できず,18分後には極めて細かい網状構造が観察された.めんの中心部は,3分後では,1次デンプン粒,2次デンプン粒,protein matrixなどが明瞭に認められた.18分後にはデンプン粒はきめ細かく微細な穴が空き,かなり膨らんではいたが,その形状は認識でき,それらの間にはprotein matrixがつまっているのが観察された.本研究を実施するにあたり,茨城大学農学部作物学研究室の皆様には,ご指導,ご協力をいただいた.皆様に厚くお礼申し上げる.