アヤムラサキ,山川紫,関系55号,種子島紫,Y-617,Y-637,ベニアズマ表皮,紅いもからANを抽出精製し,収率,スペクトル特性,組成比および安定性について検討した. (1) 各種さつまいもANの収率と粗抽出液の吸光度との間には正の相関関係があった.また,アヤムラサキANの収率が最も高かった. (2) アヤムラサキANの化学構造はCy 3-caf sop-5-glu, Cy 3-caf caf sop-5-glu, Cy 3-caf p-HB sop-5-glu, Pe 3-caf sop-5-glu, Cy 3-caf fer sop-5-glu, Pe 3-caf caf sop-5-glu, Pe 3-caf p-HB sop-5-glu, Pe 3-caf fer sop-5-gluと推定した. (3) 各種さつまいもANのHPLC分析による主ピークの組成比から,アヤムラサキと山川紫のANはPe系ANであり,関系55号,種子島紫,Y-617,Y-637および紅いものANはCy系ANであった.ベニアズマ表皮ANは塊根内部とANの種類および組成が異なっていた. (4) 加熱,紫外線照射に対し,各種さつまいもANは赤キャベツ,しそ,いちご,りんごのANより,いずれも安定であった.加熱や紫外線照射したアヤムラサキANの主要ANはいずれも減少した.紫外線照射した場合は新しいANが検出された.