円柱状の魚肉ソーセージをモデル物質として連続的な通風乾燥とその乾燥途中にあん蒸操作を挿入した場合の乾燥動特性の解析を行った.解析結果はあん蒸操作挿入時の試料含水率W0>100%-d,b.(領域I)とW0く100%-d.b.(領域II)とで水分移動機構に著しい違いのあることを明らかにした. (1) FICKの式より求めた水分の拡散係数De値は領域IではW0値の減少にともない徐々に小さくなるが,領域IIではW0値に依存せず一定値を与える.拡散の活性化エネルギ-E0値について領域Iでは16.5(±1.0)kJ/molを,領域IIでは9.6(±0.6)kJ/molを与え著しい違いのあることが分かった. (2) 高含水率側の領域Iと低含水率側の領域IIでは水分移動メカニズム及び水分の存在状態が大きく異なると考察した.