「煮つめ法」により調製したゴマ豆腐のテクスチャーに影響する本葛澱粉とゴマの配合割合について,圧縮法を用いてテクスチャー測定と官能検査により検討した.さらに,テクスチャー測定値と官能検査について相関性を検討した. 1) 硬さ,付着性及びガム性は,本葛澱粉やゴマの添加量の増加に伴い増加した.凝集性は,本葛澱粉の添加量の増加に伴い増大するが,ゴマの添加量の増加に伴い減少した. 2) 官能検査の結果から,硬さは本葛澱粉,ゴマの添加量の増加にともなって硬くなった.口ざわりの順位は,本葛澱粉が30g,ゴマ40gの試料が最も高く,本葛澱粉の濃度が低い方が喉ごしがよいとして評価された.弾力はゴマの添加量の増加に従って減少した.嗜好の総合評価はゴマ40~60gの間で高い評点を示した.以上の結果から,本葛澱粉1の場合,ゴマの添加量1~2倍,加水量10~11倍の割合が適度な軟らかさ,口ざわり,弾力性があり,最も好まれた. 3) テクスチャーの硬さと官能検査の硬さ(評点)の関係には,高い相関性が認められ,本葛澱粉添加量の影響では(r=0.94, p<0.001)であり,ゴマの添加量の影響では(r=0.92, p<0.001)であった.付着性と官能検査の粘りについては,本葛澱粉量の影響において,負の相関性(r=-0.55, p<0.O1)を示した.また,テクスチャー測定の硬さと官能検査の口ざわりでは,高い負の相関(r=-0.96, p<0.001)が得られた.一方,ゴマの添加量の影響では凝集性と硬さ(評点)に負の高い相関(r=-