シログチ及びマエソの加熱ゲル形成時における戻りに及ぼすヒラメ肉混合の影響と,各魚肉及び混合肉の水溶性画分のプロテアーゼ活性を調べた. (1) ヒラメ肉単独加熱ゲルは,無晒し肉,晒し肉ともに,どの温度でも顕著な戻りは見られなかった. (2) ヒラメの無晒し肉をシログチ肉またはマエソ肉に混合した場合,晒し肉を混合した場合よりも60∼80°C付近で強いゲルを形成しており,ヒラメ無晒し肉に戻り抑制効果が認められた. (3) シログチ及びマエソの水溶性画分には60°Cに強いプロテアーゼ活性が見られた.両肉にプロテアーゼ活性の認められなかったヒラメ無晒し肉を混合して得た水溶性画分は,晒し肉を混合した場合より活性が低いため,ヒラメ無晒し肉にプロテアーゼ活性抑制効果があると推察した.