(1) パンにオリゴ糖を配合し,腸内細菌叢の活性化を目指した機能性食品の開発を試みた.我々はパン酵母とは異なる「パネトーネ」元種を用いて,乳果オリゴ糖(LS)配合パンを試作した.その結果,パン36gに対し3g添加したオリゴ糖は,製造直後のHPLCによる分析で,1.81g(60%)残存することがわかった. (2) これにより,難消化性オリゴ糖の有効作用量が温存された「パン」の試作は,排泄機能を高める機能性食品としての応用を可能とするものである. (3) このパンを男4名,女39名の43名に1週間摂取させ,摂取前と摂取後の排便状況をアンケート試験により比較を行ったところ,1週間の排便回数および排便の爽快感に有意な差が認められた.