(1) 本実験の高圧ホモジナイザーによる瞬時殺菌システムFHSで,圧力エネルギーが熱エネルギーに変換される際,ホモジナイザー均質処理圧力100MPaで水の場合約23°C,牛乳の場合で約25°Cの温度上昇が瞬時に得られる. (2) 芽胞菌( B. brevis, B. stearothermophilus )を原乳に添加して,殺菌効果の比較を本実験システムFHSと従来のプレート式殺菌システムMAUで行った結果,耐熱性の高い芽胞菌に対してFHSはMAUに比べて同等の殺菌効果が得られた. (3) FHSでは最終加熱部の昇温カーブがMAUと比較してシャープであるため,製品の熱変性が少なく風味,物性(粘度,色調等)の良好なものが得られた. (4) FHSは殺菌と同時に80∼90MPaの高圧で均質化するため,分散脂肪球径が0.5μm前後の微細粒子となり,冷蔵保存60日間,製品の脂肪浮上を低減できた.