本論文は, Bacillus alvei DC-1の菌体内色素をTLCで分画し,1H-NMR,GC-MS,IR,VIS等で同定すると共に,培養条件についても検討した結果,下記のような結果を示した. (1) 本菌株が菌体内に生産する主なカロチノイド色素は,リコピンとβ-カロチンと同定された. (2) 本菌株に6700luxの可視光線を照射したが,菌体の生育には影響しなかった.しかし,カロチノイド生産は24時間培養で比較すると,光照射した場合には光照射しない場合よりも約4倍高い生産量を示した. (3) ニコチンを培養液に3.0mM添加してβ-カロチンとリコピンの生産量を調べた結果,β-カロチンは認められなかったが,リコピンの生産量は無添加よりも高くなることがわかった.