円柱状成型大根を塩水に浸し,体積・質量・密度の変化を測定した.その結果,体積については収縮から膨潤,質量については減少から増加,密度については増加から減少と,それぞれ2つの期間を有することが示された. この塩水浸漬したときの大根の体積及び質量変化を数理モデルで表現するため,はじめに体積変化モデルを提案した.また,質量を体積変化モデルと同形のモデルで表現した.更に,体積および質量変化モデルを用い,密度を求めた結果,計算値は測定値を良く表現することができた.また平衡時の密度は,本実験範囲の条件下で,温度・濃度依存性を有することが示された. 本研究で提案するモデルは,過去に例のないものであり,得られた基礎的知見は,塩水浸漬した大根の密度変化を考える上で,有益な指標を与えるものと考える.今後は,他の農産物を供試して本モデルの適用性を調べる予定である.