起源が異なる小麦粉の合わせ粉適性について検討し.以下の結果を得た. (1) 小麦粉のタンパク質含量と焼麩の比容積との間では危険率1%(r=0.901)で有意な関係が認められたが,脂質含量との間では関係が認められなかった. (2) 比容積が大きかった小麦粉の,ファリノグラフやエクソテンソグラフなどで測定した物理特性は強力小麦粉に特有な性質を示した. (3) それぞれの小麦粉から抽出したグルテンをタンパク質源とした合成合わせ粉を使用したときの比容積の大小は,タンパク質含量を強力小麦粉と等しくしたにもかかわらずもとの小麦粉を使用したときと同じ関係が得られ,グルテンの性質が小麦粉によって異なることが推測された. (4) SDS-PAGEの結果から,供試小麦粉のタンパク質成分には相違が認められたので,特定のタンパク質成分と比容積との関係については更に詳細に検討する必要が認められた.