(1) サツマイモヨーグルトの抗酸化能を評価するために,リノール酸の酸化物がβ-カロテンを退色させる作用を利用したH. E. MILLERらの方法を改良した.この改良法により,乳酸の影響を受けることなくBHT濃度に換算して10∼200μMの範囲内で抗酸化能の強さを評価できた. (2) サツマイモ3種類及び9乳酸菌を使用してサツマイモヨーグルトを製造し,上記改良法により抗酸化能を測定した. (3) サツマイモヨーグルトの抗酸化能は,サツマイモの種類にかかわらず,IFO3425,IFO3533,IFO13953及びIFO15883の4乳酸菌だけが発酵前より増加した.そして,この4乳酸菌のうちIFO13953 ( Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus )の抗酸化能が最も高かった. (4) 乳酸発酵中の抗酸化能は,IFO3425,IFO3533及びIFO15883では数日のラグ期の後緩慢に増加したが,IFO13953では発酵開始とともに急激に増加して発酵3日目でピークに達し,発酵6日までその水準を維持した.