健常成人6名(男性,平均年齢37.5歳)を対象として L. gasseri NY0509および L. casei NY1301を用いて調製した乳酸菌飲料の糞便内菌叢および糞便性状に及ぼす影響を検討した.乳酸菌飲料65ml/日を11日間,引き続き195ml/日を9日間摂取させた.その結果,乳酸菌飲料の摂取により糞便中の Lactobacillus 属の菌数は有意に増加した.また, Bifidobacterium 属の菌数および占有率も増加し,摂取終了後有意に減少した.一方, C. Perfringens の検出率は,乳酸菌飲料摂取期間中低下した.菌種レベルでの Lactobacillus 属および Bifidobacterium 属の変動を検索したところ, Lactobacillus 属については,乳酸菌飲料の摂取によって L. gasseri が増加する傾向にあり,195m l 摂取中に L. casei が検出された. Bifidobacterium 属については, B. adolescentis groupおよび B. longum が乳酸菌飲料の摂取により増加する傾向を示した.さらに,糞便pHは乳酸菌飲料の摂取期間中低下した.以上の成績より, L. gasseri NY0509および L. casei NY1301を含む乳酸菌飲料が腸内菌叢を改善し,整腸作用を示すことが示唆された.