0.5%までの炭酸カルシウムおよび水酸化カルシウムが,コーンスターチの熱特性,結晶性,力学特性に及ぼす影響について検討した.炭酸カルシウムおよび水酸化カルシウムは,コーンスターチの水和・膨潤を促進し,加熱後5℃に保持すると,時間の経過に伴って生じるアミロースの再配列を抑制し,再加熱すると再融解を促進した.コーンスターチの熱特性,結晶性,力学特性に及ぼす影響は0.5%まででは炭酸カルシウムよりも水酸化カルシウムにおいてより顕著に見られ,炭酸カルシウムによる影響は小さかった.