Prosky変法により処理した生および乾熱・電子レンジ加熱・蒸煮大豆のIDF, SDF区分の人工消化性を調べると共に,加熱が多糖に及ぼす影響について検討した. その結果IDF区分では,胃液,膵液でわずかに消化性が認められた.SDFでは生大豆区分で胃液,膵液および腸液に,電子レンジ加熱大豆から抽出した区分においては膵液,腸液で消化性が認められた. 一方唾液から腸液までの連続消化ではIDF, SDF区分共に消化性が認められ,その割合は全体的にIDFよりSDFで大きかった.また消化性は蒸煮大豆から抽出した食物繊維区分で最も高く,次いで乾熱,電子レンジ加熱,生大豆区分の順であった. HPLCによる連続消化後の糖の分析結果からはIDF,SDF区分共にエリスリトールが最も高く次いでアラビノースとグルコースが検出された.SDF区分ではスクロース,スタキオース,フラクトース,ガラクトースが検出され大豆中のアラビノガラクタンやセルロース,ペントザンなどの低分子化が示唆された.