野菜や果物を十分に摂取すれば様々な病気の予防につながることが多くの疫学的調査で明らかにされてきている.これには野菜に含まれる様々な機能性成分が大きく関与すると思われる.しかし,野菜の量的な安定供給を可能にするために,栽培条件の改善や品種の改良が活発に行われてきた結果,野菜に含まれる成分の含量や組成が品種間あるいは栽培条件によって変動する可能性がある.本稿では,ゴボウに含まれる機能性成分クロロゲン酸関連化合物の含量と組成に関わる品種・品目間変動を調査した.クロロゲン酸,1, 5-ジカフェオイルキナ酸,1, 5-ジカフェオイルー3-サクシニルキナ酸の組成比に大きな差は認められなかったが,それぞれの含量や合計含量は品種・品目間で大きく変動し,利用する品目によって摂取できる機能性成分の量が異なることが示唆された.