友麹添加量を仕込量の50%とし,培養日数を3日とり,これを3回繰り返して紅麹製麹量を段階的に増やしていく,多数回友麹添加法と名付ける新規な紅麹の製麹法について検討した.その結果,GABA含量は添加回数を重ねるにつれて徐々に高まり,3回目の5日目を最高値に,その後減少した.また色度については,2回目の2日目までは色素生成が認められないが,3日目以降になると急激に生成された.また糖化力については,1回目の2~3日目から活性の上昇が認められ,回数を重ねるにつれて活性が高まり,GABA同様3回目の5日目を最高値に,その後減少した.製麹中の細菌数の変化は,2回目1日目まで増加したが,それ以降は減少した.これより,この新規な製麹法は,GABA含量や酵素活性の高い高品質の紅麹が得られ,開放形式での製麹中の雑菌汚染を防ぐ可能性のある有効な製麹法と考えられた.