古米をアルカリ性水および水道水で炊飯し,米飯特性を比較した.アルカリ性水で炊飯した米飯は,水道水で炊飯した米飯と比較して,炊飯1時間後の硬さの値が低下し粘りの値が上昇したことから,アルカリ性水による炊飯は,古米の米飯テクスチャー改変に有効であることが確認された.一方,アルカリ性水で炊飯した米飯は,水道水で炊飯した米飯と比較して,保存12時間以降のテクスチャー特性値が低下して老化感のスコアが増し,保存による品質低下の大きいことが判明した. でんぷんゲルによるモデル実験から,アルカリ性水ででんぷんを糊化させると,糊化でんぷんの老化が早く進行することが確認された.このことが,アルカリ性水で炊飯した米飯のテクスチャー低下に関与していると推察された. アルカリ性水で炊飯した米飯の保存によるテクスチャーの低下を遅延させるためには,トレハロースまたはPPGMの添加が有効であった.