10g少量生地を用いる簡便な生地物性測定法を確立し,この測定法によって得られる生地物性値(破断力,破断変形,物性比,破断エネルギー)と製パン比容積との関係について検討した結果,破断力,物性比と比容積との間には明らかな正の相関,破断変形と比容積の間には明らかな負の相関が認められたが,破断エネルギーとはほとんど相関がなかった.これらの結果は,破断エネルギーの結果以外従来法のエクステンソグラフによる物性測定値と比容積との関係について,一般に言われている結果とかなり一致した結果であった.本法は,少量小麦粉サンプルでの物性測定が可能であるため,育種初期世代での小麦粉の製パン性の評価への応用が期待できる.