ポーラスポリマー樹脂カラムを用いた泡盛香気成分の定量分析法を検討した.標準香気物質を添加したモデル溶液を用いて,各成分の回収に及ぼすエタノール濃度の影響について調べた結果,内標準であるシクロヘキサノールの回収率はエタノール濃度に対して直線的に減少した.アルコール類及びカルボン酸類の回収率はエタノール濃度を下げることにより高くなったが,その増加率は成分により異なった.またカラムに流すサンプル処理量は香気成分の回収率に大きな影響を及ぼした. 以上より,アルコール度数の異なる泡盛試料は,エタノール濃度10%に希釈後,適宜10%エタノール溶液を加えることにより全量を統一した.次に,ポーラスポリマー樹脂カラムにより香気成分を抽出後,GC及びGC-MS分析を行った.その結果,アルコール類(12成分),アルデヒド類(11成分),カルボン酸類(5成分)及びエステル類(29成分)が定量され,銘柄間で濃度差が認められた.