7Sおよび11Sグロブリン含有牛乳カードの,タンパク質問相互作用力に影響をおよぼす各種試薬(NaCl,NaSCN, 2-メルカプトエタノールおよびプロピレングリコール)の共存下における形成性およびそれらに対する溶解性について検討した.各種試薬共存下でのカード形成は,7Sおよび11Sグロブリンを添加したカード共にNaSCN共存の影響が最も強く,次いでNaCl共存であった.各種試薬の溶解性に対する効果も7Sおよび11Sグロブリンを添加したカード共にNaSCNとNaClが強かった.また,各種試薬により可溶化するタンパク質は両グロブリンの特定のサブユニットではないことが分かった.このような各種試薬の効果から,7Sおよび11Sグロブリン含有カードの形成および構造の保持に対して疎水的相互作用および静電的相互作用の関与が強く,S-S結合と水素結合の関与は弱いこと,そして両グロブリンのサブユーット種間で差はないことが判明した.