比重の異なるバレイショからその主要成分であるデンプンを分離・精製し,その性状について比較・検討した. デンプンの平均粒径は,低比重試料が約41.7μm,高比重試料が約50.3μmと高比重試料が大きかった.また,糊化開始温度は低比重試料が62.5℃,高比重試料が60.0℃であり,アミログラフィーによる各粘度特性値は,最高,最低ならびに最終粘度で高比重試料が高い値を示した.なお,X線回折図形はいずれもB型を示した. 両デンプンともアミロース含量は約22%であり,分子量は50-100万であったが,高比重試料の方がやや大きな分子量を示した.アミロペクチンの分岐を比較したところ,それぞれ重合度28-38, 13-27および12以下の3画分が得られ,高比重試料の方が長鎖の比率が大きかった.