卵黄稀釈液を試料とし,pH 4.0に調整後,40℃, 3時間および5℃, 3週間の条件下で自己消化試験を行った. 反応物のTCAろ液のチロシン量は両条件下においても,経時的に増加し,40℃, 3時間の反応では20μg/ml,一方,5℃, 3週間では50μg/mlに達した. SDS-PAGEパターンにおいても両条件下の反応において経時的にパターンが変化し,特に200KDa付近のタンパク質が分解されていることが認められた. TCAろ液のチロシン量の増加およびSDS-PAGEパターンの変化がペプスタチンA添加試料ではみられなかったことから,自己消化試験でみられた卵黄タンパク質の分解は,卵黄アスパラギン酸プロテイナーゼによることが示唆された.