L. gasseri NY0509および L.casei NY1301の in vitro における人工消化液(人工胃液および人工胆汁液)耐性および腸内有害細菌( E. coli および C. perfringans )の生育に対する抑制効果を検討した. (1) L. gasseri NY0509および L. casei NY1301は,両菌株とも0.04%ペプシンを含むpH 3.0の人工胃液中で,4時間後まで高い生残性を示した.また,0.3%胆汁末を含む人工胆汁液中で, L. casei NY1301は比較的高い増殖性を示した.一方, L. gasseri NY0509の増殖は抑制されたものの,胆汁耐性を示した. (2) 腸内有害菌との混合培養試験において供試 Lac-tobacillus 2菌株は, E. coli JCM 1649Tの増殖に対し抑制作用を示さなかったが,これらの2菌株が定常期に入った48時間後では,(a) L. gasseri , (b) L. casei , (c) L. gasseri + L. casei は何れも E. coli の菌数を明確に減少させ,その作用は(c)が最も強く,これら Lactobacillus の乳酸産生量に依存していた. C. perfringens JCM1290Tの増殖に対しては,(c) L. gasseri + L. casei のみ若干の抑制作用を示した.さらに, L. gasseri NY0509および L. casei NY1301が定常期に入った48時間後では,(a) L. gasseri , (b) L. casei , (c) L. gasseri + L. casei の何れも C. perfringens の菌数を明らかに減少させ,その作用は乳酸濃度産生量が最も多かった(c)が最も強かった.