キントキマメ,フクシロキントキマメより,水抽出,硫安塩析,DEAE-Sepharose FFイオン交換クロマトグラフィー,Sephacryl S-200HRゲルろ過にて電気泳動的に均一なα-アミラーゼインヒビター,KAIとFAIを精製した. KAIとFAIの諸性質は類似しており,等電点が4.6と4.5,糖含量が16.9%と14.7%,分子量は共に45000±5000であった.SDS電気泳動では,両者共分子量約14000~20000の範囲に4本のバンドが観察され,両AIは複数のサブユニットから構成されていることが示された.なお,両インヒビターにはシステインが存在しないことから,これらサブユニット間にはS-S結合以外の相互作用が働いていることが推定された. 変性KAI, FAIを8M尿素存在下でゲルろ過HPLCを行い,それぞれ分子量の異なるIとIIのタンパク質画分を分離した.アミノ酸組成は,それぞれのAIのI及びIIどうしが類似していた.一方IとIIの比較ではアラニン,メチオニン,イソロイシン,アルギニン,バリン,リジンの含量が著しく違っていた.アミノ酸配列分析から,KAI, FAIは共にIがセリン,IIがアラニンをN末端とする2種類のサブユニットより構成されていることが示された.また,N末端より20残基までの配列は互いに一致していた.