米及び米加工品より分離した植物性乳酸菌9株を用い,Trp-P1, Trp-P2, 2-AA及びMNNGの抗変異原性について検討した. (1) Trp-P1に対して高い抗変異原性を示し,生菌体及び死菌体で同程度の値を示した. (2) Trp-P2では,Trp-P1より抗変異原性が低かった.生菌体,死菌体ともに同程度の活性を示した. (3) 2-AAでは, L. casei subsp. casei の内4株が死菌体で比較的高い抗変異原性率を示した.全体的に死菌体の方が生菌体より高い傾向にあった. (4) MNNGでは L. casei subsp. casei の109生菌体のみに抗変異原性が認められ,死菌体では活性が消失した. (5) 植物性乳酸菌にも,抗変異原性のスペクトルの広い株があると推察された.