本研究では,タマネギ抽出物がAmadori-PEの生成と細胞毒性に与える影響を調べDioleoyl PEとD-グルコースをメタノール中でインキュベート(60℃, 1日)すると,dioleoyl PEの50%がAmadori-PEに変換されていた.また,dioleoyl PEとグルコースをインキュペートして,その脂質抽出物をマクロファージ系細胞株であるJ774A.1に処理すると,顕著な細胞死が認められた.このインキュベート溶液にタマネギ抽出物を少量(0.1%, v/v)加えると,madori-PEの生成と細胞毒性が顕著に抑制された.これらの結果から,タマネギは脂質グリケーションの抑制成分を含み,Amadori-PEの生成を抑えることで細胞毒性を和らげていることが初め明らかになった.