独自に開発した連続式蒸留塔システム(CFD)を用いて,乳原料等の脱臭処理試験を行い,それらのサンプルをGC及びGC/MSの分析機器で分析し,解析した. (1) 乳原料等をGC/MSで定性分析することにより,独特のフレーバー成分をほぼ同定することが可能となり,脱臭処理で脱脂乳及びUF濃縮脱脂粉乳水溶液から不快なフレーバーであるワックス臭が,豆乳から代表的なピーニーフレーバーが除去されることを確認できた. (2) UF濃縮脱脂粉乳水溶液中フレーバー成分のGC定量分析結果では,フレーバー香気物質の約70%以上をCFD処理で除去できることを示唆した.また,アルデヒド類及びケトン類の不快なフレーバーが優先的に除去されることも確認できた. (3) 独自に開発した連続式蒸留塔システムCFDは,液状食品の脱臭処理に有効であり,風味をスッキリと後味良好にする効果があることを確認できた.