オキアミおよび2種類のエビの酵素分解物を調製した.その酵素分解物をエソMfに2.5~12.5%で添加し,脱水に伴う酵素分解物はMfに影響を調べて次の所見を得た. (1) 3種類の酵素分解物の主要成分はタンパク質であり,分子量は12000以下の多種類ペプチドの混合物であった.いずれの酵素分解物のアミノ酸組成もGlx ,Asx, Arg, Lys, Gly, AlaおよびLeuなどが多く含まれていた. (2) 酵素分解物添加Mfは脱水に伴い変性されるが,同じ水分含量でコントロールと比べて,変性程度が小さいことが分かった. (3) 酵素分解物添加Mf中の不凍水量は,コントロールより増加することが分かった.変性抑制効果とともに,5.0~7.5%の間に最も高い効果を示した. (4) 以上のように,酵素分解物はMf周囲の不凍水量を増加させるという水和水の安定化により,Mfの脱水による変性抑制をしていることが考えられる.