豆類もやしの病害軽減化を目的として,アリルイソチオシアネート(以下,AIT)蒸気による原料豆の殺菌方法を検討し,以下の点を明らかにした. (1) 緑豆もやしの栽培過程での胚軸部の生長におよぼすAITの濃度・処理時間の関係を検討した結果,濃度と時間の積による処理量が胚軸部の生長に影響を与えるが,600ppm×hr処理以下では生長を妨げないことが認められた. (2) AIT 20ppm/RH 100%/24hr気相処理では,緑豆もやしおよびブラックマッペもやしの生長を妨げずに C. gloeosporioides, A. alternata, F. oxysporum による病害発生の抑制が可能となった. (3) 塩素処理での抑制が不可能な病害発生は,AITにより抑制可能となるが,塩素処理で抑制可能となる病害は,AIT単独では抑制が不可能となることから,両者の併用処理がより有効であることが示唆された.