シンプレート法による生菌数と大腸菌群数の測定能について,供試菌株と食品を対象に従来法との比較検討を行った. (1) シンプレート法による供試菌を用いた生菌数の検出では,従来法との差はみられなかった.加熱損傷菌と加圧損傷菌を対象にした結果では,従来法よりもシンプレート法の方がやや高い数値を示したが,両方法間に顕著な差は認められなかった.食品150検体を用いてシンプレート法と従来法について比較したところ相関係数r=0.93と高い相関が得られた. (2) シンプレート法による供試菌を用いた大腸菌群数の検出では,従来法との差はみられなかった.加熱損傷菌と加圧損傷菌を対象にした検出結果では,従来法よりもシンプレート法の方が高い数値を示すものが見受けられた.食品150検体についてシンプレート法と従来法について検討したところ相関係数r=0.91と高い数値が得られた. 以上の結果から,シンプレート法は生菌数および大腸菌群の迅速・簡便法として,自主検査に有効に使用できるものと考えられる.