食品加工副産物であるコーンハルおよびビートパルプからの高温蒸煮によるアラビノースの効率的な生産法を検討した.その結果,コーンハルを処理圧力2~15Hkg/cm2で蒸煮すると,コーンハルから最大7.9%のアラビノースが遊離した.これはコーンハル中のアラビノースの63%に相当した.コーンハルの高圧蒸煮の際に燐酸(終濃度0.1M)を添加するとにより,アラビノースの生成量が増加し,その生成量はコーンハル中のアラビノースの82%に相当した. 一方,ビートパルプを2~15kg/cm2で蒸煮すると,ビートパルプから最大6.6%のアラビノースが遊離した.これはビートパルプ中のアラビノースの30%に相当した.ビートパルプの高圧蒸煮においても燐酸(終濃度0.1M)を添加することにより,アラビノースの生成量が増加し,ビートパルプから最大16%のアラビノースが生成した.その生成量はビートパルプ中のアラビノースの72%に相当した.