PLAの一次分解特性を解明するため,コンポスト化の発現し得る温度とpH範囲を考慮し,PLAの加水分解試験を行った. 本研究での設定pH範囲において,高温試験区ほど加水分解による一次分解が促進され,分子量低下が著しかった.またpH 6.0~8.0間では,pHの違いが低分子化へ及ぼす影響は小さく,重量減も認められなかった.他方pH 9.0の高アルカリ領域では,早い段階から大幅な重量減少が認められた.また,試料断面の観察結果からPLAの加水分解は試料の表面から進行することが確認された. 以上の知見から,コンポスト化過程でのダイナミックな温度,pH変化がPLAの一次分解を促進し,続く完全生分解を容易にすることが確かめられ,この特性が,実用分解手法としてコンポスト化が有効なことの一因であると検証できた.