(1) 種々の抹茶の粒度分布を測定し,抹茶の粒度域が1∼100μmと広いことが判明した.抹茶を食品加工用として使用する場合には,生地の膨らみの悪さ・飲料では沈降性・練り物には色付けの悪さなどの問題があり,これが大きな粒度域の抹茶に起因するのではないかと思われた. (2) 微粉抹茶を2通りの方法で作成した.分級による方法と,ジェットミルによる方法である.両方法で調整した微粉抹茶の粒度域は1∼20μmと狭く,均一度が高かった.この微粉抹茶を用い,水への懸濁性・そばきり・ヨーグルト・パンへ添加し,沈降量・測色値・生地の膨らみ度合などを比較した. (3) 微粉抹茶は,沈降量の少なさ・測色値の向上・生地の膨らみにおいて加工用抹茶より優れていた.微粉抹茶は,食品への添加原料として優れたものであることが判明した.