咀嚼感覚や食物テクスチャー,それにより生じる咀嚼筋活動量について,幼児と青年を対象に,テクスチャーの異なる9種の食物咀嚼時の咀嚼感覚と咀嚼筋活動量およびその食物テクスチャーから,それら相互の関連を調べ,以下の結果を得た. (1) 咀嚼感覚について,幼児より青年のほうが,被験食物間の噛みごたえ差を認識していた. (2) 幼児,青年ともに,噛みごたえがあると認識した食物ほど側頭筋および咬筋の総最大振幅比は高くなった. (3) 咀嚼感覚と咬筋の総最大振幅比との相関の高い被験者が最も多く,その傾向は幼児より青年において顕著に認められた. (4) 幼児の咀嚼感覚は被験食物のかたさとの相関を認めたのに比し,青年のそれは被験食物のかたさおよび咀嚼性との相関を認めた. (5) 咀嚼筋活動量は食物テクスチャーの咀嚼性が影響すると考えられた.