食物テクスチャーからみた咀嚼指導の一つの指標を得るため,日常よく摂食されていると考えられる112種の食物について,テクスチャーからの食物の分類を行った. (1) 112種の食物中,咀嚼筋活動量と関係する咀嚼性が高い(1.00以上)食物は30%以下であって,噛みごたえのある食物は少なかった. (2) 主成分分析によって,112種の食物中111種の食物を,かたさおよび弾力性がともに低い「基本食物グループ」,かたさが高い「グループI-1型,グループI-2型」,かたさおよび弾力性がともに高い「グループII-1型,グループII-2型,グループII-3型」,弾力性が高い「グループIII-1型,グループIII-2型,グループIII-3型」の9つに分類できた.これらグループの中で,咀嚼性が高い食物はグループI-2型およびグループII-1型,グループII-2型,グループII-3型のものが多かった.